06/05/27 キマイラ
気が付けば5月も末。少し湿り気を帯びた風は夏の到来を予期させ、カチカチと針を進める時計の音に不安を募らせる。日毎堆積していく不安はいつ崩れるかも分からないほどアンバランスで一分の油断も出来ない。そう、油断出来ないのだ。(ここは油断すると更新が止まるサイトです。)
今日の議題は「一番」。
今更な話で恐縮だけど、バイブレーションによりテーブルの上で暴れ回るケータイを見るにつけ、マナーモードってのは皮肉ですかね、と思うのは僕だけではないはずだ!
というのは比較的どうでもよい話で、尚且つ既出感が高濃度で漂ってますので一刻も早く忘れてください。その際協力は惜しみません。
ということで暫らく前にAmyさんに頂いた『一番好きなものバトン』に回答。
■01■今1番気になる有名人は?(男女1人ずつ)
♂:村上春樹(ノーベル文学賞受賞なるか?!)
♀:麻生久美子(美人と言うべきか、可愛いと言うべきか。)
■02■今1番キレイになりたい部分は?
存外にデリカシーのない質問だね。
キレイとは少し違うけど、胸板を鋼鉄にしたい。あと下半身をケンタウロスに(←小さめのエレベーターに乗れないというのが目下の悩み)。
■03■今1番ほしいものは?(必ず物品名で)
物欲が無いので困るのだけど、強いて言うならマッキントッシュ。(持っていたらオシャレ。というだけの理由で購入を検討した過去も。)
■04■今1番食べたいものは?
洋菓子。
■05■あなたのパートナー(旦那、妻、彼氏、彼女、親友、相方etc…誰でもOK)の1番好きなところは?
突然思考が奔り出すところ。
■06■今1番お気に入りのブログの方、5人へ!
誰にも渡さない!(ブログの知り合いがいない。)(というか知り合いがいない。)
今気付いたんだけど、『下半身をケンタウロスに』って表現は間違いだ。正しくは『下半身をケンタウロスの下半身に』である。
というのも比較的どうでもよい話です。と言いますか、何と比較しようとこのどうでもよさは揺ぎ無い。今世界で一番どうでもよい話ってわけだ。こらっ、そこの人。そんなに上手いこと言えてないよみたいな目でこちらを見るのはやめなさい。
06/05/21 カルマ
そりゃ僕の言い方も悪かったと思う。でもさ、みんなして徹底無視っていうのはあんまりじゃないかなって、客観的に見てもそう思うよ。何の話かっていうと、先日5月11日に僕が皆さんに出した宿題の件。この件に一指も触れなかったキミ達の罪深さったらない。乗りなさい(サドルの無い自転車のほうをアゴで指して)。
それはそうと、今日の議題は「厄」。
昨年は『厄年』なんてことを特に感じることもなく穏やかな日々を過ごしたわけだけど、今年は『後厄』の存在を感じざるを得ない。一昨日(金曜日)の僕の行跡を追いつつ、その一端を御覧に入れよう。要チェックや(唐突に相田彦一が登場。場内は一時パニックに)。
午前8時、妙に現実感のあるナイトメアにうなされて起床(with 大量の寝汗)。
→立ちくらみ。
→壁伝いに移動。
→どうにか風呂場の湯沸し用ガスのスイッチをON。
→シャワーを浴びようと活栓を捻れど、シャワーヘッドから出てくるのは水ばかり。(→大家さんに電話。)
→出勤。終日忙殺に次ぐ忙殺。
→3時間の残業の後、終業。
→帰宅途中、友達のバイク(時速10km前後)に轢かれる。
→文字通り身を削る思いをして帰宅。
→しばらくすると喉に違和感&これはちょっと頭が割れていますよねクラスの頭痛。
→風呂。湯沸し機能に関しては無事修理されていた。
→1時間おきに目が覚める断続的な睡眠(頭痛が原因)。
→はじめに戻る。
『後厄』という語感そのままの地味でオマケ的な凶事の連続にすさむ僕の心。
やり場の無い怒り、遣り切れない思いが心で渦を巻き、やがてどうしようもない虚無感に囚われて現実逃避を試みる主人公。
という設定になりきった僕が、近々引き払おうと決めているこの部屋でひとり、ダーツの練習に励んでしまうのも無理はない。
壁に穴が開いてるから敷金はうんぬん。(大家さん談)
今日のおまけ。
ニーチェの名著『ツァラトゥストラはかく語りき』の中で述べられている『永遠回帰』という思想(『時間軸というものは直線ではなく円である。つまり、ぐるぐると回りつづけているのだ。したがって、この日常は永遠に繰り返される。良い出来事も繰り返し起こるが、悪い出来事も同じように永遠と繰り返し起こる』という救いの無い内容だったはず。)を思い浮かべ、いやいや、こんな日が繰り返されてはかなわん、とばかりに左右にぶんぶん首を振る僕の姿はさぞ可愛らしかったとか。めでたくなしめでたくなし
06/05/16 艶やかな温度
突然だが、みなさんはレミニセンス効果というものをご存知だろうか?
今日の議題は「レミニセンス効果」。
東天が薄っすらと白んで、やがて眼下の街のそのすべてを同じ色に染める午前6時。彼女もまだ夢の中をたゆたっているだろう。
地上17階に相当する屋上から眺望できるのは、複写したようなマンションが群れを成して屹立する住宅街と小中学校。それから高速道路。すらり伸びたその道を朝霧のなか奔るトラックのライトがまるで酸素を運ぶヘモグロビンのように往来する。それらはこの街あるいはこの国を生かしているという意味で血液と言って間違いなく、半覚醒の街に幾何かのエネルギーを与える。
部屋に戻るとコーヒーを沸かす。10時の出勤時間にはまだ随分と早い。換気のために窓を開け放って、それからソファではなくフローリングに横たわる。窓際までごろごろとまころんで、グレイッシュトーンを帯びた淡い空を仰向けのまま眺める。冷えた板張りの床は僕の背の至る部分の冷覚を刺激する。あるいは痛みに近いそれらの感覚を、僕は目を閉じて享受した。
目を開けると眼前に広がるのは雲ばかりの薄い灰色。身を起こすと全身が冷覚によるそれではない痛みを無遠慮に告げる。どうやらすこし眠ってしまったようだ。判然としない頭のまま立ち上がり、僕はキッチンに向かう。既に冷めてから幾らも経ったコーヒーを、カップではなく、箱から出したばかりのまっさらなグラスに注いでブラックのまま一気に飲み干す。
知らずまどろんでいた身体はたちまち覚醒し、背の痛みも不思議と消える。代わり、記憶の奥底にある感覚を喚起する。
以前彼女が刹那に触れた僕の背、その部分がちょうど手のひらのかたちに熱を帯びてじりじりと焦がした。恐らく彼女はそんな戯れの一齣など疾うに忘れてしまったに違いない。記憶の中の細やかな手のひらが伝える温度は、しかし今や全身に拡がって僕を優しく抱擁する。心臓がとくりとくり脈打ってそれに呼応し、やはり僕は、と気付くのだ。
僕は空のグラスを水で濯ぎながら、再びゆるりと目を閉じた。
“真新しい建物内部の、さして真新しくも無い眺め。それらを横目に緩やかなスロープを上り歩む彼女の顔は退屈一色。一文字に結ばれた薄いくちびるを認め、僕は至幸の苦笑におよぶ。”
瞼の裏に煌々と映し出されたその記憶は彼女と共有の、しかし僕だけの特別な色を帯びた記憶。同時にそれはある種の回答だった。
やはり僕は彼女が好きなのだ。
開いたままの窓からバルコニーに出ると、景観は曇天の下で確かに色付いていた。階下の住人が奏でるピアノ、メンデルスゾーンの結婚行進曲が風に乗って耳に届く。僕は身を翻し、手すりに背を預けて自室に目を遣った。キッチンの傍に掛けられたアナログ時計のその両針が、寄り添うように12を指していた。
大幅遅刻!
今日のおまけ。
レミニセンス効果とはつまり、抱えていた悩み事、どうしても分からなかった問題の解答が睡眠後に突然ひらめくという現象です。これは、睡眠の間に記憶が整理され熟成されるためです。