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07/10/24   ねむたい夜中

質の低い駄洒落は、

不眠症に悩まされています。
「不眠症」という時点ですでに不健康なのに、その不眠症に「悩まされている」のですから、これはもう健康の二重搾取です。夜を越えるたびに肉体と精神の両面から衰弱していくのです。

さて、今日は(不眠症を薬餌や生活習慣の改善で治療すれば同時に悩みも解消されるということには目をつぶって)不眠症と上手に付き合っていく方法を紹介したいと思います。

まず、不眠症がもたらす膨大な夜の時間をどのようにして消化するかが重要です。
選択肢は概ね二つ。「インプット」か「アウトプット」かです。

「インプット」は知識などを取り入れる行為を、「アウトプット」は思考を吐き出す行為を指します。つまり、DVDを見るのはインプットであり、日記を書くのはアウトプットです。投球フォームを研究するのがインプットで、実際に試合で盗塁するのがアウトプットです。セーフでもアウトプットです。

さて、深夜に書くラブレターに見られるように、夜更けのアウトプットには危険がつきまといます。深夜、あれほどに恥ずかしい言葉を羅列できるのは、人が空間的にも精神的にもひとりになったとき、内的思考が深まって感受性が豊かになるからだと思われます。従って、深更の自由時間を最も安全に使うにはインプットが有効だということになります。

夜更けのインプットの有効性は様々なシーンで見受けられます。
例えば、深夜なら感受性が豊かになっているため、どう見ても女子中高生向きの少女漫画で号泣することも可能です。あるいは、自分で考えた知能指数0のギャグに笑いすぎて腹筋がぱっくり割れ、そこからライジンオーが緊急出動です。ロッカーはなぜかコックピットにつながっています。今思ったのですが「絶対無敵ライジンオー」というタイトルはネタバレではないでしょうか。

いよいよ雲行きが怪しくなってきたので話を戻します。

不眠症と上手に付き合うということは、それによって生じる不随意な感情の波を有効利用するということに他なりません。夜は感動に満ちています。少女漫画を読めば感涙に咽び、哲学書を読めば思考は加速します。

日中は気にならないどころか鳴っていることにも気付かない時計の針の音が、深夜やたらと耳障りになるのも鋭くなった感受性ゆえです。さびしさは鳴る、です。時計の針が休息を許さないから、僕はまた本のページを捲るのです。時計ビギン10月号の。

夜中に作られます。

07/10/01   幼子をもつ父母たちへ

僕は未だに右と左の区別がつきません。いや、区別がつかないというか、瞬時に判断できないのです。左右の判断が出来ないことによる弊害はバラエティー豊かに存在します。

一例として僕の場合、「(右利きだから)左腕のほうが若干筋肉が少ない」というヒントを基に左右の判断をします。上腕二頭筋の盛り上がりに僅かな差があり、これをよりどころに判断するのです。これでは左腕を一生鍛えられません。

まあ、上の段落はほとんど嘘ですが、判断に数瞬の間を必要とするのは本当です。

例えば、一人暮らしの女性の部屋に呼ばれて手料理を振る舞われたとします。食後、和やかに会話を交わしつつデザートの果物を剥いている彼女に「あ、そこに食器棚あるでしょ? そこの上から3段目、左から2つめの棚から小皿取って」と言われた際、「えっ、左? えっと Let me see...」とまごついた挙げ句に片っ端から開けてしまって相手は激怒。持っていた青龍刀で後ろから袈裟斬りです。

あるいは、イタリアンマフィアに追われて細い路地に逃げ込んだ際に、「左の角を曲がってすぐの右のドアに入れ」といった内容の天の声がどこからか聞こえ、「えっ、右の角? 左のドア?」などと周章狼狽している内に辿り着いたのは袋小路。声の主はガッカリして両肩脱臼、という状況は皆さんにおかれましても容易に想像できることでしょう。

また、左右の判断には時間がかかるのにおすぎとピーコの違いは一瞬で判断できる、という状況がもたらす苦悩は人を狂気に導くのに十分です。

この症状を持つ人は右利き左利きに関わらず一定数存在するようです。僕の周りにも少数ですが存在します。(僕も含め)彼らは学力が著しく低いわけでもなく、空間把握能力が他人より劣っているわけでもありません。

原因として考えられるのは、幼児期に「どちらが左でどちらが右」という学習をしなかったことです。おそらく、人間にはある時期までにインプットしておくべき事柄というのがいくつか存在するのでしょう。その時期を過ぎるとそれまでよりも劣悪な条件下で記憶の定着が行われるのではないでしょうか。
他言語の習得に関しても、5歳までに対象言語を耳にしていると大きなアドバンテージになると言われています。この「5歳まで」という条件部分は「3歳まで」や「10歳まで」等、諸説紛々なのですが、いずれにせよ幼い時期に学習しておくことは重要であるようです。

などということを大人になって教わっても困るのです。

 

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